君に見せたい景色がある 2022 「NO BIKE NO LIFE 私はバイク乗り」と「一般社団法人Peacemaker」そして、実行委員会の本部事務局でもある大多喜町の「Club BIGONE」が7年前から実施した活動。 実は・・・このツーリング、これまでのセオリーでは、東北へ向かう道中は「嵐」と呼んでもおかしくない大雨、大風に見舞われ、ただただミーティング&ツーリングの当日の天気の回復だけを祈って走るのが、毎年のパターン。しかもこのパターンは過去に一度も覆ったことがないという恐ろしき確率。
それゆえ、毎年このツーリングで石巻を目指すことでレインウェアーの大切さを学び、そして大雨の中を走るコツを得て、もはや外れないパターンに「石巻ツーリングに終日晴天なし!」というジンクスがほぼ出来あがっている。しかし、不思議なことに、毎年、開催日は必ず晴天に恵まれ雨だったことは過去に一度もないというのもジンクスである。 しかし今年は、石巻へ向かう道中がまさかの晴天!!!この長きに渡る「石巻へ向かう大雨道中」のジンクスはついに破れた。そして当日も晴天!!今年はなにか違う!!
集合場所へ続々と集まる参加者のみなさん。晴天無風の陽気に気持ちよさそうにサンファンヴィレッジの坂道を駆けあがってくる。
一部、御番所公園に直行する方を除いてほぼ全員で恒例の写真撮影、この写真もこれで7枚目の写真となる・・・今年はRIDE189の旗がたなびく写真。
このツーリングは、毎年、参加者が多いときで50名弱の参加者で行っている、ツーリングという名目である以上、現地に集合し語り合うようなミーティングとは違うという認識で開催し、ほんの少しだけど参加者みんなで走って目的地へ行こう!これがこのツーリングの変わらぬスタイルとなっている。
集合場所「サンファンヴィレッジ」から牡鹿半島の最南端「御番所展望公園」まで走り、御番所展望公園から見える金華山や田代島などが織りなす大パノラマの絶景を眺めながら、サンファンさんが車で運んで来てくれる「仕出し弁当」を食べ参加者との交流を深め、その後、海と空、そして新緑が美しい山が織りなす絶景のコバルトラインを走り「大六天展望駐車場」まで走り、そこで解散するという企画。
たった60㌔程度の短い時間であるが、ツーリングとしているのは、集まった仲間同士で実際に走りることがバイク乗りにとって最もシンプルで単純明快なコミュニケーションだろうという考え方を貫いている。そしてなによりも毎年、始めて参加してくれる参加者も多くいることもあり、是が非でもこの東北ならではのリアス式の地形が織りなす風景を目に心に焼き付けてほしいと願っている。
挨拶もほどほどにバイク乗り、まずは走りだそう!準備を整えた参加メンバーさんがゆっくりと景色を楽しみながら走り出します。まずは第一目的地、青い空に溶け込む神々しき白い鹿に逢いに行こう!!
青き空と白い砂浜綺麗な浜辺に凛と佇む白き鹿
まさに絶好のバイク日和、緑のトンネルを抜けて参加者たちは、神々しく佇む白き鹿のモニュメント「White Deer(Oshika)」を目指す。
地元のライダーには、映画もののけ姫に出てくる鹿の神に容姿が似ていることから「シシガミ様」とも呼ばれ「牡鹿半島」を象徴する鹿のモニュメント。鹿は元々神の使い、または神獣として神道などの中で親しまれ、この荻浜に現れた鹿は、瀬戸内海・犬島の方を向いているそうです。
白い砂浜(シェルビーチ)に佇む白い鹿のモニュメント、この鹿はでは「荻浜港」から10分程度歩いて行く場所になります。新緑の林道をのんびり歩き、荻浜の奥まった湾の中に突然現れる「白い鹿」多くの鹿が生存する牡鹿半島をまさに象徴するアートモニュメントですね!天気の良い日にはぜひとも一度は立ち寄って頂きたいお立ち寄りポイント。美しき白き浜に佇む神々しき白き鹿・・・君に見せたい景色がある。
海の蒼と空の青が交わる絶景ランチ?
荻浜を出発すると今日の目的地「御番所展望公園」までは、海と山が繰り返し目の前に広がる絶景県道を走りながらのんびりツーリング。 この道は、毎年道が変わる、つまり港の周りの復興はまだまだ続いているということだ。牡鹿半島の最南端にあたる展望公園は、海を見下ろす高台にあり、この展望台へ向かう坂道がとても素敵な道。後ろに「海と空」左手に「黄色い花の群生」そして木々の緑。
毎年、行ってきた「石巻復興支援ツーリング」の恒例といえば、この御番所公園の大パノラマの中で「お弁当」を食べるというのが名物行事。
7年前、バイク乗り歓迎の常宿「サンファンヴィレッジ」さんに「ここまで車で届けてほしい、あの絶景の中でみんなでランチミーティングしよう!」と無理難題を投げたところ、フフロントマネージャーも支配人もバイク乗りであるこの宿が「それは最高ですね!」とこの企画を具現化してくれた。
恒例の御番所弁当が参加者に配られてランチミーティングの始まり!
眼下に「金華山」と「網地島」空の青と海の蒼が交わる場所でランチタイム。
芝生の上に腰掛けたり寝転んだりしながら各々の時間を満喫、
海を見下ろすベンチに腰掛けてランチタイム「サイクリストには聖地と呼ばれるそうです」
「あの日、ここであの時間を迎えました、目の前の金華山との海峡が底を見せてそのあとに津波が押し寄せた。金華山にぶつかった波の高さにこの世の終わりだと思った」
私が震災後、初めてこの場所を訪れた時にここに来ていた地元のおじいさんがそう教えてくれた。
あの日の牡鹿半島の記録は、
底が見えた金華山と牡鹿半島の海峡 ➡ 東日本大震災ドキュメント金華山黄金山神社
筆者が数十年前、単身赴任で宮城にいたころ・・・海水浴で訪れた「鮎川浜」の「満潮になるとほとんど消えてしまうビーチ」も今はない・・・。あの頃、同じ道を走って、港の周りの道から眺められた海も高く高く積み上げられた防潮堤によってもう見えない・・・・。
そんな話を地元から参加してくれたみなさんと、あの日を振り返り、あの日からを聞き、そして今を見ながら話し、美味しいお弁当を食べる。これがもう一つの「君に見せたい景色」
コバルト色の風になって疾走る。
ツーリングの最終ステージは「牡鹿半島」の絶景を楽しめる美しく楽しいワイディング「コバルトライン」を疾走る!石巻復興支援ツーリングは「疾走る!」が一つのキーワード、御場所公園でのランチミーティングも恒例であるが、やはり私たちバイク乗りは「疾走る」ことが最も有効なコミュニケーション。
コバルトラインにはこんな風に美しい海が開ける場所が何か所もあり・・・
全長40㌔以上のワイディングが続く快適・絶景ロードです。
ワイディングの途中には休憩場所や展望公園や駐車場もあり休日には宮城県の多くのバイク乗りが走りに来るまさに宮城県を代表するツーリングスポット。
無論、この美しきワイディングもあの震災で被災し、二年以上通行止めが続き、復興にむけての日々からたまの息抜きを欲していた地元のライダーたちには大きなショックだったと聞く。
筆者もかつて、単身赴任で慣れない土地へ来て仕事に追われる日々の中で、休日の度に「命の洗濯」をしに何度も訪れた場所、地元の方々同様、コバルトラインの通行止めは、地元に戻り数年が経過しても「いつかまたあそこを走りたい」と思っていた私にもショックで、2013年、コバルトライン全面開通のニュースを見たときには、迷わずここを訪れた。
楽しい時間は本当に過ぎるのが早い、本当は13時半で解散の予定だったこのツーリングも気が付けば14時をはるかに超えている。
RIDE189の一同は、今回の解散場所「大六天展望駐車場」へ到着。 この駐車場も遠くに南三陸の島々を眺められるまさに絶景駐車場であり、地元ライダーを含め牡鹿半島を訪れるライダーたちの休憩場として愛されている場所。
遠くは北海道や青森や岩手から、そして関東、千葉県や都内から、参加頂いたRIDE189 TOURINGの参加者、地元、宮城県の仲間たちも加わって30名、今年も楽しく素敵な時間を共有できたことで、また思い出が一つ増えました。 君に見せたい景色がある・・・と走り続けて来た7年目の宮城。毎年、少しづつだけど、道が変わり、新しい景色が生まれ、そして震災遺構というあの大災害を風化させないための施設も増えている。 この道を宮城のみなさんと走り、あの景色でお弁当を広げると必ず話す震災の話、これこそが私たちにも出来る風化させないためのアクション。 新たな仲間が一人増え、新たな出会いが一つ増え、また会おうと楽しかったとそれぞれが笑顔で手を振りながら去っていくこの光景。これもまた、君に見せたい景色があるなのです。 RIDE189 TOURING 石巻2022 事故もなく無事終了しました。またみなさんとコバルトラインや宮城の美しい道を走り、気さくで優しい宿のみなさんとふれ合い、美味しいものを食べて笑顔で楽しめる時間を共有できることを楽しみにしております!また来年お会いしましょう!
次回は2022年9月4日
RIDE189 TOURING RALLY Orange Bikers 宮城です!RIDE189 TOURING RALLYの冠名にも記されている児童虐待対応ダイアルナンバー「189(イチハヤク)」の普及活動を実際に行い、宮城県の多くの県民の方に189の活用や児童虐待防止活動へのご協力を頂けるように活動する「オートバイ乗りのよる地域社会貢献活動」です!たくさんのみなさんのご参加をお待ちしております!合言葉は「 RUN For KID’S !」伝えることは「STOP CHILD ABUSE !」
開催についての詳細や募集は順次RIDE紙面やオフィシャルサイトで公開していきます。
RIDE 189 3rd Entryも募集中!
RIDE189は4月10日のキックオフからようやく3か月が過ぎ、梅雨が明けたら一気にバイク乗りのトップシーズンへと入っていきます!RIDE189 TOURING RALLYは当初予定していたラリー参加者数を達成したため、募集を終了しておりましたが、その後もたくさんの参加希望を頂いたので追加エントリーとして「第3次エントリー」の募集を開始しています!
「あなたのその疾走りは誰かの役にたつ」これをテーマに現在たくさんの189RIDERSが宮城県や千葉県を走っています!まだまだ参加できます!今からでも間に合う特別ルールも設定していますのでどうぞ奮ってご参加くださいね!
RIDE189 TOURING RALLYの第3次エントリーはこちらから!
おまけ。例年と違う?否、やっぱり同じ・・・。
例年の石巻はほぼ100%の確率で「行き」は「大雨」がもはや恒例、
しかし今年は違う!!
ついに!ついに!この魔のルーティーンから逃れた!!
この日は、RIDE189 TOURING終了後、御番所公園のすぐ近くにある「さか井」さんに宿泊、金華山の海の幸が美味しく宿の目の前に金華山が見える絶景の宿。
もちろん!明日も快適に走って帰ることを祈り、そして何より今日という日が事故もなく無事に終わったということを祝しての軽いいわゆる「打ち上げ」
絶景の温泉、美味しい海鮮料理とアルコール、さか井 遠藤社長から、毎年石巻のためにありがとうございますとビールの差し入れを頂きました!かえってお気遣いをありがとうございました!
明日の朝は、目にまえに広がる金華山の絶景を見てのんびり朝食を食べて帰路につこう!
なんて期待していましたが・・・・汗
やっぱりというか案の定というか・・・帰り道は、目覚めて宿の部屋のカーテンを開けた時点から「土砂降り」でした、毎年参加されているメンバーさんやあの宿の支配人が冗談で言っていました。。
「雨に打たれなきゃ石巻ツーリングじゃないでしょ!??毎度のことですね!WW」
でもさすがに気温10℃の大雨走行はしんどかった!!!それでもまた行きたくなる!それが東北の魅力。
来年こそはこのジンクスを打ち破ることができますように、と
もう6年間も祈っています・・・参加者のみなさん!次回は打ち上げにも参加できる方は気軽にご参加くださいね。
RIDE189 TOURING 石巻 みんなのフォトギャラリー
2022年6月4日 取材同行(モーターマガジン社)写真 松川 忍 ほか 2022年6月5日 カメラマン 松井・道家・参加者全員 企画・運営 RIDE189実行委員会 宿泊協力 サンファンヴィレッジ・島周の宿 さか井 お弁当手配 サンファンヴィレッジ
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